《 目次 》
➀サスペンションユニット
3. サスペンションアーム(Suspension Arm)
カラーリングを考えよう
まず始めにシャーシ本体やアームのカラーリングを考えていきましょう。
MSシャーシのカラーは、赤、白、黒等色々ありますが、シャーシ本体が黒や白だった場合は、アームの色は赤が生えますよね。
逆にシャーシ本体が赤だった場合はアームの色は黒が良いかもしれません。
またグレーの軽量センターシャーシなどもあります。
アームの色に合わせてシャーシ本体の色を決めてもいいと思います。
現在普通に購入できる強化ユニットの色は赤と黒があります。
アームは必ずしも強化ユニットでなくても大丈夫です。
余ったパーツがあれば、是非かき集めてみて下さい。
使用可能なユニットは、T-01、N-02、T-04、N-04です。
N-01は形状的に向いてないかと思います。
※N-03、T-03はバンパーレスユニットなので、サスペンションアームは作れません。
アームで使用する部品はシャーシ本体とは別に用意する必要があります。
購入数の間違いに注意しながら、お好きな色の組み合わせを考えてみて下さい。
サスペンションアームの名称
サスペンションアームは、フロント・リヤ・アッパー・ロア(前・後・上・下)と見ていくと下のように4名称に分けることができます。
➀ フロントアッパーアーム 2本 | ④ リヤアッパーアーム 2本 |
② フロントロアアーム 2本 | ③ リヤロアアーム 2本 |
各箇所2本ずつ作成しますので合計8本のアームが必要です。
サスペンションアームの種類
今回作成するアームは2種類で、加工自体はそれほど難しくはありません。
まずアームの種類について簡単に見ていきましょう。
ノーズで作成するかテールで作成するかでタイプが分かれます。
どの部分を使うかと言いますと、どちらもバンパー部分を使います。
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ノーズを使用したものをノーズタイプ。
テールを使用したものをテールタイプとしましょう。
2つのタイプの違い(画像一部訂正・追加2017/5/15)
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左側の画像は左がノーズタイプで、右がテールタイプです。
右側の画像を見て頂くと分かりますが、ノーズとテールではアームの長さが違ってきます。テールで作成した方が穴1個分(c穴の中心からd穴の中心3mm)長くなるんですね。
②テールタイプ(テールパーツを加工して作る)特徴:長い、ブレる
またノーズタイプの方が厚みがあります。スラストがついてるからですね。
厚みを調整する事で、アームのブレを無くすことが出来ます。
サスペンションアーム・タイプ紹介
Ⅰ:ノーズタイプの特徴
香港のMX-Club(Team)で採用しているのが、ノーズとテールの混合タイプです。
8本分のアームをノーズから4本、テールから4本作成します。
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N02・T01強化ユニットや、N04・T04強化ユニット(レッド)等を2セット購入すれば足りる計算になります。黒と赤1セットずつ使用してもかまいません。
パーツを無駄なく利用した、リーズナブルな組み合わせです。またノーズタイプは、フロントアッパーアームのブレが少ないのも特徴の1つです。
メリット | ノーズからも部品取りするので低コスト。 フロントアッパーアームのブレが少ない。 |
デメリット | ノーズはスラストを削る加工があり、手間がかかる。 ノーマルアップライトも装着可能だが調整が必要。 |
作業工程 | バンパーから切り離し、整形。スラスト切削。 1.8mm穴を拡張(2mmで貫通)させる加工がある。 |
MX-Clubのマシンは、ノーズタイプのアームを、フロントアッパー(前上)、リヤロア(後下)で使用しています。
※すでにアップライト作成に2セット購入されていると思うので、アームに赤を使用する場合は購入の必要はありませんが、シャーシ本体でも赤を使う場合は、+1セット購入します。
Ⅱ:テールタイプの特徴
私キャスターが使用しているのは、テールタイプです。
画像右は8本全てテールパーツを使用しています。
MS強化ユニットを4セット分用意する必要があります。
加工にさほど手間がかからず、分かりやすいのが特徴です。
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メリット | 作りやすい。リヤ側スプリングダンパーの付け方を縦型に出来る。 |
デメリット | フロントアッパーアームにブレが出る。 |
作業工程 | バンパーから切り離し、整形。 1.8mm穴を拡張(2mmで貫通)させる加工がある。 |
※8本すべてテールにする場合は、すでにアップライトの作成で赤強化パーツを2セット購入されていると思いますので、+2セット購入すれば足ります。(赤強化パーツ×2 or 黒強化パーツ×2)画像は下のアーム4本が赤。上のアーム4本が黒です。
※今回改良を加え、テール6本、フロントアッパーアームをノーズ2本に変更する予定です。その場合の購入数は、強化パーツ+1セットになります。
※シャーシ本体に赤強化パーツを使用する場合は、もう+1セット追加します。
テールタイプのブレの原因とノーズタイプの良さ
フロントアッパーアームをテールタイプにした時のブレの原因について見ていきましょう。
どのようにブレるかというと、画像の様に前輪がハの字や、逆ハの字になったりして、前後にブレる訳です。
R/Cカーで言うところのトー角がイン、アウトになる感じです。
改造の構造上ある程度のブレはしょうがないかと思うのですが、少しブレ過ぎの感じがあります。
原因としてはボールリンクの遊びが挙げられますが、もう1つ原因があります。それは、アームとアームステーとの距離にあります。
青い矢印のところを見て頂くとわかりますが、アームとアームステーの間に1mmの空間が出来るわけです。赤矢印のベアリングスペーサーを支点にして、アームの先端がステーにぶつかるように前後に動いてしまいます。これがブレのもう1つの原因です。
特にワイドアップライトの場合は、トレッド幅がノーマルに比べて広いので、ブレの影響が大きくなります。なので上の画像のセッティングですと、ワイドアップライトは不向きで、ノーマルトレッドが適していることになります。
ノーマルアップライトの場合は影響が少なく、かつゴムジョイントにすることで更にブレを減らす事が出来、テールアームでもブレを少なくすることが出来ます。
このデメリットを解消しているのが、ノーズタイプのアームです。
ノーズタイプのアームのスラスト側を平らに削り、厚みをテールタイプより1mm大きい5mmで整形したものです。
アームの根元から◯で囲った部分までが、ロックナットor
アームステーに接触して、面で支える形になっています。
1点で支えるよりも2点で支えたほうがブレないですよね?
そうです。620ボールベアリングの時と原理は同じですよね。
面で支えることで更に強くなります。
MX-Clubはこのアームにワイドアップライトを使用しています。
画像はノーマルですが、このセッティングだとスラスト角が変わった時や、サスペンション稼働時にタイヤがアルミシャフトストッパーに干渉します。
ベアリングとホイールの隙間を1mm程度あける必要があります。(ホイールの首の長いものや、ワッシャー等を使い調整してください。)
セッティング内容表(表記変更2017/5/15)
分かりづらくて申し訳ありませんが、マシンの現在の
セッティング内容をまとめてみると以下の様になります。
よく見かける仕様 | MX-Club仕様(Ⅰ) | caster仕様(Ⅱ) | |
ダンパー | 縦型(前下・後下) ・ボディを乗せやすい |
縦型 (前下) 斜め型(後上) ・アームの強度が出る |
縦型 (前下) 斜め型(後上) ・アームの強度が出る ↓ 縦型(後下)に変更 |
ダンパ接続 | ネジ・スペーサー・ナット(前後下) ・ブレが少ない |
ボールリンク(前下後上) ・ブレが出る |
ネジ・スペーサー・(前下)ナット(後上) ・ブレが少ない |
ダンパ 接続箇所 |
テールd(前後下4本) | テールd(前下2本) テールc(後上2本) |
テールd(前下2本) テールc(後上2本) ↓ テールd(前後下4本)に変更 |
アップライト | ノーマル ・スピードが出る ・キャンバー角が動く |
ワイド ・コーナーに強い ・キャンバー角が変わらない |
ワイド ・コーナーに強い ・キャンバー角が変わらない ↓ ノーマルに変更 |
アップライト 接続箇所 |
テールd(前後上下8) | ノーズc(前上2後下2)テールc(前下2後上2) | テールc(前後上下8) ↓ ノーズc(前上2) テールc(前下2後上2後下2)に変更 |
ジョイント | ゴム
アルミカップ |
アルミカップ ・ブレが出る ・トルク抜けが少ない ・地上高を調整可能 |
ゴム ・ブレが少ない ・トルク抜けあり ・地上高固定 |
➀フロントアッパーアーム | テールタイプ ・ブレる |
ノーズタイプ ・ブレない |
テールタイプ ・ワイドは特にブレ ↓ ノーズタイプに変更 |
②フロントロアアーム | テールタイプ | テールタイプ | テールタイプ |
③リヤロアアーム | テールタイプ ・ダンパとの距離が長い |
ノーズタイプ | テールタイプ |
④リヤアッパーアーム | テールタイプ | テールタイプ ・ダンパとの距離が短い |
テールタイプ ・ダンパとの距離が短い ↓ 縦型に変更後は、③の距離が長くなります |
なるべくMX-Club仕様は忠実に、caster仕様はMX-Clubとは違うセッティング内容(スプリングダンパー縦型、フロントアッパーアームのみノーズに変更)にしていきたいと思います。
※c、dの穴位置は「1.4 ふたつのタイプの違い」の画像を参考にしてください。
タイプ別購入表(サスペンションアーム8本分のセット数)
※アップライトですでに購入してる分(赤パーツ2セット)は省いて掲載しています。
パーツ名 | Ⅰ | Ⅱ(改良版) |
0 | ||
1 | ||
※アップライトをテールの一番端の穴に取り付ける場合は、N-02、T-01強化ユニットを+1してください。その場合フロントアッパーアームもテールを使用します。
サスペンションアームの作り方
作り方は特に難しい事はありませんので、ざっくりと説明していきたいと思います。
ノーズタイプ
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左上画像の様に、ノーズのバンパー部を切り離し、更に余分な部分をカットして整形していきます。
画像ではまだ、スラストが残っている状態ですが、スラスト面を削って反対の面と平行にしていきます。厚みは5mmが良いでしょう。
テールタイプ
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こちらのテール部品も、バンパー部を切り離し余分な部分をカットして作成します。
注意すべき点は、ノーズタイプのスラストを削ってを平らにする事と、厚みを5mm未満にならないように仕上げる事です。
またネジ穴は、2mmのドリルで拡張してしまうと元には戻らないので、タイプを決めてから、サスペンションアーム接続時に開けた方が良いでしょう
まだこの作成段階では開けないほうが無難です。
シャーシ加工編が終わった段階で詳しく見ていく予定です。
まとめ
まとめとしてスプリングダンパー、アップライトの接続位置を各種アームのどの部分の穴位置になるのか、最後もう一度確認してこの項を終わりたいと思います。
青い点線が、テールアームの一番端(d)の穴で、フロント側スプリングダンパーの接続位置になっています。
オレンジの線が、テールアームの端から一個手前(c)の穴、ノーズアームの一番端(c)の穴と同じで、アップライト、リヤ側上スプリングダンパーの接続位置です。
画像はスプリングダンパーがリヤ側インボードタイプ斜め型の付け方になっています。リヤ側ダンパーの付け方も縦型にした場合は、この画像のフロント側と同じになります。
ノーズタイプとテールタイプの穴位置の関係の画像を「1.4 ふたつのタイプの違い」で紹介してますので、それも参考にして頂くと分かりやすいかと思います。
実際に組み始めると分かりやすいので、シャーシ加工編が終わり次第また見ていきたいと思います。
以上単純なパーツですが、セッティング内容に意外と関係してきますので、ゆっくり確認していって下さい。